これは間違いなく、私の人生を変えた一冊だ。
学校や地域の図書館の子供の本コーナーには必ず揃っていた、江戸川乱歩全集。
私がこのシリーズを読み始めたのは、小学校2年の時だった。
それまでは大人たちから与えられた平和な本ばかり読んでいたのだが・・・
図書室で見つけたおどろおどろしい表紙の本を私は手に取った。
それが運のツキ・・・!!
それから乱歩にまさしくはまってしまった私は次々と読んでいった。
自分より少しお兄さんの小林少年。
魔法使いのような二十面相。
そしてこちらも魔法使いのように二十面相と対決する明智小五郎。
ロマノフ家の秘宝・落とし穴・監禁された小林くん・出張中の明智先生・・・
伝書バトが通信手段だったりと「それはアリなのか?」と疑問が生じる点もあるが
大人になった今読み返しても、かなり面白い本だ。
この本にはまらなかったら、読書と推理小説の楽しみを知らずにいただろう。
このポプラ社の全集には確かホームズとルパンのシリーズもあり、
某巨大掲示板では「推理小説中毒を作り続けるポプラ社の全集、おそるべし」
みたいなことを書かれていた。
なるほど・・・と深くうなずいた。
ポプラ社の全集、今も健在だが装丁がかわった。
冊数が少なくなったのが残念だ。
昔の40冊以上のシリーズの後半は大人向けに書かれたものを
子供向きに書き直したものなので二十面相のシリーズではなくて殺人モノだった。
この後半部分が省かれたようなのだが、名作ぞろいなので復刊してほしいところだ。