久しぶりの能と狂言。
大槻能楽堂でふるまいの甘酒を頂きつつ、翁~餅風流と羽衣と続けて観た。
翁はお祝いものなので他でも観たことがあるけれど、
人によって全然違うなあ・・・と感じた。
「踏む」と表現されるリズムが心地よい。
餅風流は・・・会場に行くまで知らなかったのだけれど、
ほとんど上演されたことのない狂言の曲。
翁に割り込む形で演ぜられるもので、
これを茂山千作さんの餅の精で観られたのは本当にラッキーだった。
ともすれば緊張感ばかりが高まる三番三に千作さんらしいふんわりとした笑い添えられて
まことにリラックスした。
そして能の羽衣。
能でなくても有名な話だ。
羽衣を返してもらった天人が舞うシーンでは
謡は男性の声なのに
面をつけた天人は女性にしかみえないから不思議だ。
女性というか人ではない何か。
そしてずーっと観ていると、無表情のはずの面に表情が見えてくる。
小鼓・大鼓・笛の音が心地よくて、舞台の衣装も客席の老婦人の和服も目に楽しくて
すべてを堪能した。
実は私の狂言デビューは11年前、茂山千作さんシテの千鳥だったのだけれど、
本格的に能楽堂に足を運ぶようになったのはここ3年くらいのこと。
いつかは自分でささっと紬を着て、観に行きたいもの。