ついにやってきた、Staatsoper=ベルリン国立歌劇場!!
本格的なオペラは初めてなので、わくわく。
演目は”L’elisir d’amore” 、邦題が『愛の妙薬』というDonizettiの有名なイタリアオペラ。
本当は初心者なので曲りなりにも言葉が聞き取れるドイツオペラの『魔笛』などにしたかったのだけど、
この日程では見つからなかったのでやむなし。
古典芸能を楽しむコツはしっかり予習をしておくことだと私は思う。
能・狂言を観るときにいつもそうしているのだけど、
古典にはきまった「様式」・「型」みたいなものがあって、
「これがお約束」というのを理解していると断然、生で観るのが楽しいのだ。
今回はミュンヘンで買ったCDを何度か聴いた。
インターネットで買ったチケットは受付に名前入りの封筒に入れてとってあった。
(ちょっと感激!!)
ロビーではみんなオシャレしてきていて、シャンパンやワインを傾けながら談笑。
私もSektを飲んで、気分を高める。
劇場の建物自体はすごくクラッシックなんだけど、
舞台はスクリーンに背景が映されるという近代的設備で少しびっくり。
『愛の妙薬』は
Adina ソプラノ 金持ちで驕慢な娘(地主の娘みたいの)
Nemorino テノール 貧しいが純朴な青年。Adinaのことが好き
Belcore バリトン 村に駐留する軍人
Dulcamara バス 渡りのインチキ医者
が主な登場人物で、Adinaも本当はNemorinoのことが好きなのだけれど
Belcoreのプロポーズに応えてしまう。
NemorinoはDulcamaraから飲めばモテモテになる妙薬を買い・・・と一騒動あったあとに、
昔の吉本新喜劇の「やっぱり私、かんぺいちゃんと結婚するわ!!」みたいにハッピーエンドになるストーリー。(いい加減な説明やな)
セリフが全て歌というのはすごい。
掛け合いが二重唱・三重唱と計算されたハーモニーになっていくのが
聴いていて快感だった。
Nemorino役のテノールの人は金髪でハンサムなのに垢抜けない感じ
(昔のベッ○ムみたいな感じ?)をよく表現していた。
私はテノールよりバリトンの方が好きだったのだけど、
イタリアオペラの情熱的な部分を表現するテノールの素晴らしさに酔った。
Belcore役の人は黒髪のキザなイタリア男ぶりが笑いを誘った。
(しかし、私はこの人の方が好みだ)
そして、細かい演出の部分が現代っぽくなされていて、ユーモアのセンスが感じられた。
(Adinaと気持ちが通じたNemorinoが小さくガッツポーズ、とか)
居眠りしたらどうしよう・・・なんていう心配はまったく杞憂で、
楽しくて楽しくて、あっという間に時間が過ぎた。
(予習がけっこう効いたことと字幕のドイツ語に助けられた部分も大きかった)
観客は総立ちで拍手喝采。
今回はかなり良い席をとったけれど、歌舞伎の良い席よりずっと安かった。
チケットがもうちょっと安いと、日本の古典芸能も身近になると思うんだけどなあ・・・・。